それがこれ。
インクジェットプリンター用カートリッジの特許侵害訴訟の判決確定について
(キヤノンさんのニュースリリースより)
簡単に説明すると、キヤノンさんのプリンター向けに互換性をもたせたインクを販売していた6社との訴訟がキヤノンさんの勝訴で確定したというものです。
ただ、注意点としては、侵害対象となる特許が 「LED付カートリッジに関する特許権」ということで、管理人の理解に間違いがないとすると、全ての互換インクカートリッジを対象とした勝訴とは言えないと考えています。
そのため、2011年10月現在、互換インクの販売が全て制限されている状況ではありません。
つまり、今回のケースでは、特許で保護されているキヤノンさんのLEDを用いたインク残量判定機能を勝手に利用してしまった他社製互換インクについてのみの排除措置で、ごく簡単な機能のみを持つ互換インクは今後も提供されると考えています。
参考リンク:
特許登録番号:3793216
(アスタミューゼさんより)
さて、管理人はというと、写真用途にエプソンさんのプリンターをここ10年以上愛用しています。そのため、使用してきたインクカートリッジの本数も、それを購入するために支払った購入金額もそれなりのものになります。
では、それらのプリンターには価格面でお得な互換インクを利用しているかというと、そうではありません。
それはなぜか。
やはり、写真品質面での性能を重視しているからです。
特に写真品質を意識した場合、管理人は主に顔料インク利用のプリンターを使うことになるのですが、ただでさえ色の管理に難のある顔料プリンターで、色についての保証ができない互換インクを使うことは、色の管理のコントロールを手放すということになりかねません。それは高価格なプリンターを使う意味を失うことを意味します。
そういった互換インクに関する手間やストレスを抱え込むよりは、純正インクを使うことで、何かあったときはメーカーさんのサポートを活用させてもらおうというのが管理人の考えていることです。
そのため、多少インクの価格が高く感じたとしても、純正インクを使い続けるようにしているのが現状です。
ただ、その一方で、互換インクではなくとも、他社製のインクを詰め替えて使っていた用途もあります。
それが、ドキュメント用途のプリンター。
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黒一色で印刷するドキュメント用途の場合、色の管理のトラブルは生じることが原理的にもありえないため、キヤノンさん製の4色プリンターに他社が販売している顔料ブラックインクを詰め替えて利用していました。
実際、利用から7年間も安定して使えたため、たいへん助かったというのが正直な部分です。
コスト的にも、A4ドキュメント1枚が1~2円ほどとお手軽に印刷が行えたのも重要なメリットでした。
メーカーさんは嫌がるでしょうが、こういった限られた用途に使う限りでは、互換インクという選択肢も賢い選択肢になり得ると実感している部分です。
このように、プリンターという製品を巡って、プリンターメーカーさん、ユーザー、そして、互換インクメーカーさんと様々な思惑が行き交う状況ですが、正直なところ、今後はプリンター自体、厳しい商品となっていくと管理人自身は考えています。
というのも、プリンターメーカーさんがどんなに互換インク対策を行なったとしても、完全に締めだすことは、ユーザーの選択を制限することにつながるという観点から法令上厳しいこと。
また、プリンターの一般的な用途として頭に浮かぶ、年賀状の需要も年々低下していくことは可能性としてはかなり高いはず。なにより、日常生活の中でプリンターでの印刷が必須というユーザー層がどれだけ維持されているのかということもあります。
さらに、海外では巨大なシェアを誇るものの、国内ではそれほど受け入れられているとは思えないヒューレット・パッカード(HP)さんも、最近国内での攻勢を強めており、その一環なのか、インクジェット複合機本体を4,000~5,000円という低価格で販売しています。
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それに追従する形で、エプソンさんやキヤノンさんも同価格帯の製品を販売中という状況。
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実際、この価格ならば、インク交換をせずに、初期搭載インクを使い切るだけの用途で購入して、本体は使い捨てという使用方法を実行するユーザーも出てくるでしょう。
そうなった場合、本体は格安で販売し、インクカートリッジ販売で利益を得るというビジネスモデルは少なくともこの価格帯の製品では瓦解することになります。
長く一台の写真用プリンターを愛用する管理人としては、難しいことかもしれませんが、本体販売でも十分な利益を確保するような形のビジネスモデルを選択して欲しいというのが正直なところ。
管理人自身は、プリンター本体の価格が多少高額になったとしても、インクカートリッジをもっと安価な消費者が納得出来る価格で販売してくれたなら、結果的に、長い目で見た印刷枚数自体も増えることで、インクカートリッジの購入本数やリピーターも増えると考えたりもするのですが、他社の動向との兼ね合いもあって、取るに取れない戦略なのかもしれないですね。
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