そんな中、気になっているのが現在キャンペーン受付中のエプソンさんの新型ドキュメントスキャナES-D350です。
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というのも、こういったドキュメントスキャナのような製品は基本的に後になって発売された製品ほど、今までに販売されていた製品の弱点をしっかり改良し、低価格になっているにも関わらず、性能は向上しているということが多いためです。
最近だと、富士通さんのScanSnap S1500のほぼ独壇場となっていたドキュメントスキャナ市場に、高性能な重送対策性能と、 ScanSnap S1500に比べ1万円以上の安価な価格設定によって、大きな影響を与えることになったキヤノンさんのimageFORMULA DR-C125の発売は記憶に新しいところです。
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今回発売される エプソンさんのES-D350は、そのDR-C125よりも新しい製品として、より大きな改良やメリットを期待してしまうのも、ある意味自然なことでしょう。
そういったこともあって、今回の記事では、スペック上で
富士通 ScanSnap S1500
キヤノン DR-C125
エプソン ES-D350
はどのように異なるのかを比べてみたいと思います。
今回比べるスペックは管理人が実際に気になる
1、スキャンスピード
2、トレイに搭載可能な用紙枚数
3、1スキャンあたりの消耗品コスト
4、最安価格
5、Adobe Acrobatシリーズ添付の有無
6、消費電力
7、大きさと重さ
の7つです。
参考リンク:
ScanSnap S1500仕様
(富士通さんより)
DR-C125仕様
(キヤノンさんより)
ES-D350の仕様
(エプソンさんより)
1、 スキャンスピード
スキャンスピードについては、実用的な利用を考え、管理人が実際に愛用しているカラーでの300dpi設定を元に比較してみます。
ScanSnap S1500:20枚/分
DR-C125:15枚/分
ES-D350: 20枚/分
結果だけを見てみると、 ScanSnap S1500とES-D350の引き分け。
この2機種とDR-C125との差は、それほど大きくないように感じるかもしれませんが、数値にして25%ほどの差が生じているわけで、処理を行う枚数が多くなるほどに、影響は大きくなるのは避けられません。
少しだけ気になるレベルの差ですね。
2、トレイに搭載可能な用紙枚数
続いて比較するのは、電子書籍化作業時の手間に影響を与えるトレイに搭載可能な用紙枚数です。この枚数が大きくなるほど、ドキュメントスキャナに追加の用紙を追加するために見守る必要が減少するため、利用していく上では意外に重要なスペックです 。
ScanSnap S1500:50枚
DR-C125:30枚
ES-D350:75枚
結果は、最新のES-D350が圧倒的な優位を見せる結果になりました。
確かに、搭載可能枚数は目安でしか無いこともあり、それ以上の枚数を搭載することも可能なのですが、元々の可能枚数が多いほど、無理をして搭載可能な枚数が増加するのも確かでしょう。
そういった意味でも、 ES-D350は優れたスキャンスピードの速さとの関係もあって、なかなか快適なスキャン作業を提供してくれそうですね。
3、1スキャンあたりの消耗品コスト
意外に忘れがちなことですが、ドキュメントスキャナもいずれはメンテナンスが必要になる製品の一つです。
というのも、度重なるスキャンによって、用紙を給紙するためのローラーなど、消耗品が磨耗してしまい、結果的に、正常な給紙が不可能になります。
その結果、どんな紙質の用紙をスキャンしようしようとしても、重送などが生じるようになるため、作業効率の面から考えても、メンテナンスとしての消耗品交換は大切なことです。
そこで、仮に10万枚の用紙をスキャンした場合の定価ベースでの消耗品コストを計算してみます。
ScanSnap S1500:合計10,185円
パッドユニット(1,995円。5万枚ごと)×2
ピックローラユニット(6,195円。10万枚ごと)×1
DR-C125:合計5,040円
DR-C125用 交換ローラーキット(5,040円。10万枚ごと)×1
ES-D350:合計 6,720円
給紙ローラーキット(6,720円。10万枚ごと)×1
これらのデータから1スキャンあたりの消耗品コストは
ScanSnap S1500: 0.10185円
DR-C125:0.05040円
ES-D350:0.06720円
となります。
結果だけ見るとDR-C125が圧勝。それにES-D350に続く形になっています。
一方のScanSnap S1500は、5万枚のスキャンでも、消耗品交換が求められることになり、実際に利用していく上で、消耗品の管理について多少手間に感じているという管理人の感覚にも近い結果と言えます。
とはいえ、5万枚程度まではどの機種であっても、消耗品を気にする必要はなく利用可能ですから、それほど購入前から心配する必要のないことだと管理人自身考えています 。
4、最安価格
やはり、購入時に気になるのは実際の購入価格。
2012年5月17日現在の価格ドットコムさんでの最安価格を比べてみたいと思います。
ScanSnap S1500:35,276円
DR-C125:29,230円
ES-D350:44,980円
参考リンク:
ScanSnap S1500価格比較
DR-C125価格比較
ES-D350価格比較
(価格ドットコムさんより)
管理人注:
ES-D350のみ、価格ドットコムさんへの価格登録がなく、エプソンさんによる直営ショップでのみの価格提示のため、今後は価格低下が予想され、今現在の価格で比較することは不利な面が存在するのも確かです。
やはり、 DR-C125の挑戦的な価格設定が大きく優位を見せつける結果になりました。
ただ、 ScanSnap S1500自体も、2009年の発売から3年以上の時間が経過している状況から考えると、そろそろ高い価格設定を維持し続けるのも限界が訪れるのではないかと管理人自身感じていることです。
そう考えると、 ScanSnap S1500後継機種の登場もそろそろなのではないかと考えてしまう部分もあります。
参考リンク:
2009年2月のScanSnap S1500/S1500M新発売時のニュースリリース
(PFUさんより)
5、Adobe Acrobatシリーズ添付の有無
新規ユーザーにとって、購入の敷居が高いとされるAdobeさんのAcrobatシリーズですが、これらのソフトウェアが利用可能な場合、電子書籍自炊がかなりの面で効率化が可能になります。
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また、多くの場合、添付されるAcrobatシリーズはStandard版ですが、 Standard版であっても、上位バージョンのPro版へのアップグレードを行う場合、新規でPro版を購入するよりも大幅にディスカウントされた状態で購入可能なので、アップグレードのためのライセンス獲得手段としても意外に重宝したりします。
実際に添付状況を比較してみます。
ScanSnap S1500: Acrobat X Standard同梱
(Mac版はAcrobat 9 Pro同梱)
DR-C125:なし
ES-D350:なし
唯一、 ScanSnap S1500のみがAcrobatシリーズを同梱していて、他2機種はなし。
この添付の有無が気になるという方もいるのではないでしょうか。
ただ、管理人の場合もそうなのですが、すでにAcrobatシリーズを独自に購入しているなどして、新たに添付されているAcrobatシリーズが不要というユーザーも存在しているので、販売価格低下のためにも、添付しないという選択も悪いものではないのかもしれません。
6、消費電力
それほど大きな電力消費が行われているとは考えられないのですが、長時間利用するに従って、意外に大きな電力の利用となっていることも考えられます。
それを確認するためにも、実際に比べて見ることにします
ScanSnap S1500:
動作時:35W以下
スリープ時:4.5W以下
DR-C125:
動作時:最大12.7W以下
スリープモード時:1.8W以下
電源オフ時:0.5W以下
ES-D350:
動作時:約45W
レディー時:約13W
スリープモード時:約4.2W
公平性維持のため、できるだけそれぞれのメーカーさんによる記述をそのままピックアップしてみました。
比べている条件などに多少の違いは見られるものの、消費電力について圧倒的な優位を見せたのはDR-C125。
動作時にも関わらず、10W台を維持する実力はかなりのものと言ってよいでしょう。
逆に他の2機種は、動作時はもちろんのこと、スリープ時であってもそれなりに多くの電力を消費していることになるため、長期的な利用では多少の差が生まれるのはしょうがない部分といえるかもしれません。
7、大きさと重さ
最後に比較するのは大きさと重さです。
特に外出先で利用することが想定されていないようなドキュメントスキャナの場合、それほど、大きさや重さについて気にする必要はないと感じるかもしれませんが、実は意外に重要なスペックの一つと言えます。
というのも、管理人の場合、電子書籍自炊を行うための機材は、常に出したままにしておくのではなく、利用時に保管場所から取り出すようにしています。
そのため、出し入れの際に、気軽に取り出せる大きさと重さを維持していることは、ドキュメントスキャナの利用頻度を低下させないためにも重要なスペックの1つと言えます。
では、その大きさと重さを実際に比べてみます。
ScanSnap S1500:
292mm(幅)159mm(奥行き)158mm(高さ)約3kg
DR-C125:
300mm(幅)217mm(奥行き)156mm(高さ) 約2.6kg
ES-D350:
303mm(幅)202mm(奥行き)213mm(高さ)約5kg
他の機種よりも際立って違いを見せるのはES-D350でしょう。
重さはDR-C125の約2倍。 ScanSnap S1500よりも2kgも増加しています。
また、高さも約6センチほど大きいものになっているため、収納場所の選定では他の機種と同じ扱いというわけにはいかないはずです。
そう考えると、ES-D350は他の2機種と比べて、電子書籍自炊など一般消費者向けというよりも、業務用途など、各部をしっかり作りこんだドキュメントスキャナといえるのかもしれません。
こうして、管理人自身が気になる7つのスペックから、 ScanSnap S1500、 DR-C125、 ES-D350の3機種を比べてみると、最も新しいES-D350は基本的なスキャナ機能は他の機種と同等以上となかなかの好成績を見せる結果となりました。
ただ、その一方で、販売価格や本体の大きさや重量の点では、特に昨年までに販売された他の機種に対しても際立ったメリットはあるといえず、逆に少しデメリットについて気になるというのも管理人の正直な気持ちと言えます。
そういったことを考えると、実機を利用しての評判等も見聞きした上で判断することであるのはもちろんですが、現状では、電子書籍ユーザーに対してのドキュメントスキャナの2台目需要を強力に掘り起こす機種とは言えないと管理人自身考えています。
とはいえ、価格の高さがネックになっている部分も大きいため、今後のES-D350の販売価格低下によっては、ScanSnap S1500とDR-C125の2機種の購入を考える必要がなくなるくらい、おすすめのドキュメントスキャナとなる可能性もあるはずです。
管理人自身、 ES-D350の販売価格動向をしっかり見ていきたいと考えています。
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追記1:続きの記事を書きました
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追記2:さらに続きの記事を書きました
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追記3:もうひとつ続きの記事を書きました
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