2015年1月20日火曜日

プレミアムなのにエコノミークラスより人気なし?JAL国際線特典航空券のプレミアムエコノミーは本当に損なのか

毎日の生活の中でコツコツとJALマイルを貯め、国際線特典航空券を発券しての海外個人旅行を楽しんでいる管理人ですが、予約状況を確認するたびに1つだけ面白いと感じていることがあります。

それが、座席人気度の違いです。

というのも、JALさんの提供する国際線特典航空券には、必要マイル数の多い順番に上から
・ファーストクラス
・ビジネスクラス
・プレミアムエコノミー
・エコノミークラス
の合計4つが存在するのですが、その空席状況から分かる人気度はこの順番の通りになっていません。

というのも、ファーストクラスやビジネスクラス、そしてエコノミークラスの特典航空券の残席がなくなり、空席待ち(キャンセル待ち)の状態になっても、空席が残っていることが多い座席が存在しているからです。

それがプレミアムエコノミーです。

JALさんのプレミアムエコノミーの特徴について簡単に説明すると、
・座席間の前後間隔がエコノミークラスより広い
・アームレストの幅が広い
・リクライニングを行なっても後の乗客に影響を与えない
・同時に前の乗客のリクライニングの影響を受けない
・メインの食事はエコノミークラスと同様
・飲み物や間食などが数点アップグレード
・サクララウンジなどの利用が可能
・有償の航空券価格は最安エコノミークラスの2倍から4倍程度
・特典航空券必要マイル数は日本からのヨーロッパ線の往復で
 ビジネスクラス:85,000マイル
 プレミアムエコノミー:70,000マイル
 エコノミークラス:55,000マイル
といったところでしょうか。

参考リンク:
プレミアムエコノミー
プレミアムエコノミー 空港サービスのご案内
 JAL国際線特典航空券 マイル早見表
JALさんより)


では、なぜプレミアムエコノミーの座席が残ることになるのか?

管理人の個人としては、プレミアムエコノミーのお得度が必要なマイル数に対して割高になっているということが一番の理由だと考えています。


というのも、確かに座席自体は快適性を増しているものの、よりフラットな状態に近づくことができるビジネスクラスとエコノミークラス間の違いほどの大きな差はなく、あくまでエコノミークラス基準のサービスということは実感します。

また、食事や飲み物なども、間食のメニューやアルコールの選択肢が数点追加されるといった変化に限られています。

参考リンク:
プレミアムエコノミーのお食事
プレミアムエコノミーのお飲み物
エコノミークラスのお食事
エコノミークラスのお飲み物
JALさんより)


さらに、有償で販売するプレミアムエコノミーの価格設定自体が割引された状態のビジネスクラスに近いという事情もあって、なかなか席が埋まらないのか、特に混雑する繁忙期には、特典航空券利用でもエコノミークラスからの無料でのアップグレードに遭遇する機会が意外に多くあるということも、管理人としては、プレミアムエコノミーを積極的に選べない理由になっているのも正直な部分。

実際、管理人宅でも国際線特典航空券でプレミアムエコノミーを予約するのならば、もう少しマイルを追加してビジネスクラスを予約したり、長距離路線でも事前に非常口座席を確保できた時や短距離の路線への搭乗の場合はエコノミークラスで予約を行うようにしています。

管理人作成の関連記事:
快適さはビジネスクラス未満プレミアムエコノミー以上?管理人が国際線非常口座席をおすすめする理由


では、プレミアムエコノミーを国際線特典航空券で予約するのは本当にお得度の点でおすすめできないのかというと、管理人はそうは考えていません。

というのも、プレミアムエコノミーの人気がそれほど高くないということは、他の特典航空券の座席に比べ、より長く旅程を考える余裕があるということだからです。

特に、繁忙期の国際線特典航空券のファーストクラス、ビジネスクラス、そしてエコノミークラスを、それも家族旅行などで複数人分、希望の日程を確実に確保するためには、予約受付が開始される330日前の午前10時に発券してしまうことがおすすめなのですが、一方ですべての旅行者の方が330日も先の予定を確定できるわけではありません。

管理人作成の関連記事:
夏休みでもマイルを使った特典航空券を確実に予約したい時には必ず電話での予約をおすすめする理由


そう考えた時、予約受付開始直後以外の時期でも繁忙期の国際線特典航空券の空席の確保が比較的容易なプレミアムエコノミーは、エコノミークラスの必要マイル数に、繁忙期でも予約が可能なオプション手数料を追加されていると判断すると、意外に損なマイル活用方法ではなのかもしれません。

実際、海外の航空会社さんを中心に、空席数の変化によって、より少ないマイル数で特典航空券の発券が可能なセーバー特典や、反対に空席数の少ない繁忙期でも多くのマイルを利用することで確実に特典航空券を発券するピーク特典といったサービスも提供されていますから。

参考リンク:
特典旅行でご利用いただける航空会社およびマイル数の一覧
デルタ航空さんより)


また、2014年11月26日に発表されたJALマイレージバンクリニューアルでは、出発当日に空港でビジネスクラスに空席がある場合、プレミアムエコノミーからはマイルを使ったアップグレードが可能になりました。

具体的には日本とヨーロッパ間のJAL国際線特典航空券のプレミアムエコノミーからは、大人1人辺り往復で15,000マイル、片道のみでは7,500マイルの追加での支払いでビジネスクラスへのアップグレードが可能ということです。

管理人作成の関連記事:
2014年11月26日発表のJALマイレージバンクリニューアルはどのように判断するべきなのか

マイルを使った出発当日の空港でのアップグレードは国際線特典航空券の予約戦略にどんな変化を生み出すのか

参考リンク:
JAL国際線特典航空券 上位クラスへの変更 空港当日申し込みサービス
JALさんより)


このリニューアルで、これまでのプレミアムエコノミーでの予約とは異なり、よりお得度の高いビジネスクラス利用に当日まで可能性をつなぐことも可能になったわけですから、リニューアル前とはまた違う状況に変化したと考えてもよいはずです。

そう考えると、エコノミークラスに空席がないからといってすぐにその日程を諦めるのではなく、念のためプレミアムエコノミーの空席も確認し、積極的に利用を検討してみるというのもこれまで以上に重要なテクニックと言えるのかもしれません。


確かに、様々な理由もあって、プレミアムエコノミーを積極的に選択肢として活用することができなかった管理人ですが、それでも予約の自由度や、特典航空券での発券にも関わらず出発当日に空港でのアップグレードも可能になるなどの状況の変化もあって、面白い選択肢だと感じ始めています。




管理人作成のJAL国際線特典航空券予約テクニック関連の記事:
快適さはビジネスクラス未満プレミアムエコノミー以上?管理人が国際線非常口座席をおすすめする理由
(2013年8月10日)

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4 件のコメント:

  1. いつも参考にさせて頂いております。
    JALのPYクラス、NYC便に乗る時いつも満席なので「人気がない」というのは何月頃のどこ行きなのでしょうか?参考に教えて頂けると大変嬉しいです。
    ちなみに、私が乗ったのは6月、7月、10月、12月のいずれも平日(月~木)です。
    昨年は成田で「隣が空いている席を」とリクエストしたら「PYクラスで隣の空いている席なんて今どきありません。先ほどのお客様もフランクフルト行きのPYで同じことを言われましたが、ヨーロッパ行きもほぼいつも満席です」と言われました。
    たしかに、Yクラスが空いていてもPYが満席ということがありました。

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    1. マリリンさん

      コメントをいただき、ありがとうございます。

      誤解を招く記事を作成してしまい、申し訳ありません。

      この記事は、JALマイルを利用した国際線特典航空券の予約時の空席状況を見比べてきた管理人としては、エコノミー(Yクラス)とプレミアムエコノミー(PYクラス)では、エコノミークラスの空席の方が早くなくなる傾向が強いと感じ、その理由はプレミアムエコノミー予約に必要なマイル数が割高なことと考えたため、作成した記事です。

      そうした事情もあるので、有償の国際線航空券予約やマイルによるアップグレード特典の空席状況、あるいは実際の搭乗時のプレミアムエコノミーの空席数とは、印象や傾向が異なる可能性も高くなります。


      ただ、プレミアムエコノミー自体、エコノミークラスを予約した上位の上級会員の方がアップグレードされるのはもちろん、団体ツアーや修学旅行生などの有無や混雑度、搭乗頻度、繁忙期と閑散期の時期の違いなどによっては、通常のJMB会員でもプレミアムエコノミーへのアップグレードが見られますから、空席のまま空気を飛ばすよりは、積極的にインボランタリー・アップグレードを行うクラスとしての性質もあるのかもしれません。

      この辺りは、食事や機内サービスなど自体がユニークでコスト高になりやすいビジネスクラス以上とは異なり、飲み物や間食以外のメインの食事などはエコノミークラスと多くの点で共通のプレミアムエコノミーの特徴が表れている可能性もあると感じています。


      そのため、特典航空券予約としては、少ないマイル数で予約できるエコノミーに比べ、プレミアムエコノミーの人気がそれほどではない傾向があるとしても、実際のフライト時のシート利用状況では、アップグレードされた方までも含めると、マリリンさんがコメントでご指摘の通り、プレミアムエコノミーはほぼいつも満席という状況も間違いないはずです。

      今回のコメント、本当にありがとうございました。


      管理人@スタ好き

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    2. なるほど!さっそくご検証下さりありがとうございます。
      たしかに、正規料金でPYに乗っている人は少ないと思います。
      見たところ、団体ツアー客かビジネス客がほとんどのようです。
      後者は恐らく会社からエコノミー正規料金での取得が認められており、自動的にUGされているのではと推測されます。

      私はPYクラスを気に行っているのですが、さすがに正規料金では考えてしまいます。
      マイルを使ったり、出発が伊丹なので当日の有償UG(3万円のやつ)を狙ったり色々工夫していますが、ますますPYの空席は厳しくなってきているように感じます。

      NYC便とLHR便(ロンドン)は本当に厳しいですが、
      まだ水・木がねらい目のように思います。
      日~火はビジネス客が多く、金~日は観光客が多い。

      こうやって攻略するのもなかなか楽しいですね(笑)
      いつも本当に参考にさせて頂き、感謝しております。

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    3. マリリンさん

      再びのコメント、ありがとうございます。
      特に実際にご利用された中での状況の変化に対する実感や、そうした変化への工夫などを教えて頂けたことはとても嬉しく感じました。

      また、路線や曜日に対する厳しさとその印象については、JALさん側で選択している今後の戦略方針などと重なる部分も多く感じられ、なるほどと考えさせられました。

      JALホームページ限定 国際線特典航空券 曜日限定特典
      https://www.jal.co.jp/121campaign/weekly_discount/


      ただ、今後は、2015年度のANA実施のに続く形で、JALさんでも2017年度からは予約を含むシステムを、空席管理や収益などでの効率化と共通化に航空会社さんからの定評のあるアマデウス社に委託することになります。
      (積極的な航空会社さんとは対照的に、ユーザー側の評価が必ずしも高いというわけではないのが残念ですが・・・)

      JALグループ、旅客サービスシステムにアマデウス社Alteaを採用
      http://press.jal.co.jp/ja/release/201407/003017.html


      そのため、予約クラスによる保証されたアップグレードや空港での有償でのアップグレードまで含めると、これまでのようなJALさんの予約での利用者を中心とした競争だけではなく、提携する他の航空会社さんを通して予約を行った利用者の方とも、プレミアムエコノミー獲得争奪戦を戦わなくてはいけないのかもしれませんね。


      管理人の場合は特にホテルを予約する時に、チェックイン時のアップグレードが期待できるのかどうかを考えながら、予約時から高価格なエクゼクティブフロアを選択するのか、それともアップグレードに期待して安価な通常フロアを選択するのか悩むのが常です(汗)

      ただし、そうした攻略や工夫は確かに悩ましいものの、思惑通りにことが動くと楽しく面白いので、そうした部分も楽しみながら、フライトやホテルの予約を行っているように思います(笑)

      また、このブログを参考にしていただけているとのことで、コツコツと継続している管理人としては、更新継続の大きな励みになるのでとても嬉しかったです。

      今回のコメントも、本当にありがとうございました。

      管理人@スタ好き

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