2012年12月23日日曜日

エプソンプロセレクション戦略の大きな転換点?高機能ソフトウェアの利用制限は無くなる方向に進むのか?



10年近くに渡り、キヤノンさんとエプソンさんのプリンターを利用してきた管理人ですが、基本的に写真用プリンターにはエプソンさんを採用してきました。

やはり、その理由は写真用途を考えた時に、品質面でエプソンさんのプリンターが好ましいと感じていたことと、妥協のない画質を追求する製品群としてのプロセレクションブランド戦略に魅力を感じていたからです。

ただし、先日、そんな管理人にとって驚くべき変化を知らせるニュースが伝えられました。

それがこれ、Epson Print Plug-inのプロセレクション製品以外への利用緩和です。

参考リンク:
Epson Print Plug-inダウンロード
エプソンプロセレクションさんダウンロードページより)


ちなみにこのEpson Print Plug-inとは、当初は30,000円ほどの有料ソフトウェアとしてスタートしたImaging WorkShopのプリント管理機能を抜き出したプラグインで、迷わず作業をこなせるという意味では、なかなかの魅力を感じるプラグインです。

また、レイアウトの容易さから、家庭内で証明写真を印刷したり、簡単なフォトブックを作成したり、たくさんの撮影済みの写真からコンタクトプリント(ベタ焼き風プリント)を作成する場合、様々な方に利用をおすすめしたいと思うこともしばしばでした。

管理人作成の関連記事:
少し前まで3万円のソフトが無料なのに使わない理由はなんだろう?Imaging WorkShopはかなりいいよ編


しかし、今まではプロセレクション製品を利用しているユーザー向けにのみ使用が許諾されており、それ以外のエプソンさんの製品を利用しているユーザーは利用することができないという状況にあったため、残念に感じることも多かったのも事実です。


それが、今回、プロセレクション製品以外のインクジェット複合機もEpson Print Plug-inの利用が許されることになりました。

それも、現行品や最上位機種だけではなく、過去の製品でもやや上位に位置するモデルについても、 Epson Print Plug-inの利用可能モデルに加えられています。

具体的には
2012年モデル:
EP-905F、EP-905A、EP-805A/AR/AW

2011年モデル:
EP-904F、EP-904A、EP-804A/AR/AW

2010年モデル:
EP-903F、EP-903A、EP-803A/AW

2009年モデル:
EP-902A、EP-802A

2008年モデル:
EP-901F、EP-901A、EP-801A
というように、2008年から2012年までの上位2機種が対象となっています。

参考リンク:
2012年カラリオ・プリンター新製品ニュースリリース
2011年カラリオ・プリンター新製品ニュースリリース
2010年カラリオ・プリンター新製品ニュースリリース 
2009年カラリオ・プリンター新製品ニュースリリース 
2008年カラリオ・プリンター新製品ニュースリリース
エプソンさんニュースリリースより)


特に、管理人が気になったのは、2008年と発売から少々時間の経過したインクジェット複合機も対象となっていることと、さらには、インクジェット複合機の中でも、最上位機種のみではなく、その1つ下の製品まで、対象として加えられていることでした。

これが何を意味するのかと考えた時、管理人なりの答えとしては、エプソンさんのA4写真画質プリンターの販売戦略に対する大きな誤算が生じたために、今回のプロセレクション製品以外への、プロセレクション製品限定機能の緩和が行われたということです。

というのも、今現在のプロセレクション製品のプリンターラインナップを見てみると、
PX-5002(2009年発売)
PX-5V(2011年発売)
PX-7V(2011年発売)
PX-G930(2006年発売)
となっていて、唯一のA4サイズ専用機となるPX-G930は6年以上も更新されていないまま、プロセレクションのラインナップに存在していることになります。

もちろん、エプソンさんとしては、利益率や開発コストの兼ね合いもあって、プロセレクションにふさわしい画質が欲しいと感じた場合は、A4専用機ではなく、A3ノビ対応機を購入して下さいというメッセージを送っていたのかもしれません。

しかし、どうしても本体サイズが大きくなるA3ノビ対応機は設置を考えた時に、選択したくはないと考えるユーザー層も意外に多く、かといって、A4プリンターでも、6年以上も進歩していないPX-G930は買いたくはないのでインクジェット複合機の上位機種を購入して高画質写真を思う存分楽しむ!ということを選択したユーザーがエプソンさんの想像した以上に増加したのかもしれません。

それが結果的に、エプソンさんが何らかのプロセレクション製品への制限を緩和を行わなくてはならないと決心させる原動力になったのではないかと管理人自身は考えています。


それでは、この予想が事実だった時、今後、どのような変化が考えられるのでしょうか。

可能性として考えられるのは、2つです。

1つめは、Epson Print Plug-inのフルバージョンといってもいい、Imaging WorkShopの利用制限の緩和を行い、今回Epson Print Plug-inのりよう対象となった機種ではImaging WorkShopも制限なく利用可能になるというものです。 


2つめは、1つめの可能性をより進めたものになります。

具体的には、プロセレクションブランドの今後のビジョンはとりあえず保留した上で、プロセレクション製品と非プロセレクション製品との区別を無くす方向にシフトし、すべてのエプソンさんプリンターで、 Epson Print Plug-inやImaging WorkShopなどソフトウェアの利用制限の緩和を行うというものです。

ただし、エプソンさんが提供するImaging WorkShopは元々が有料ソフトウェアですから、エプソンさん自身が、開発元(NewSoftさん?)や共同開発元に、利用者数に比例する形で一定額のライセンス料を支払っている可能性も捨て切れません。

参考リンク:
写真家のワークフローを劇的に進化させるハイエンドプリンタユーザに最適な 写真ワークフローソフトウェア 「Imaging WorkShop」を開発
エプソンさんニュースリリースより) 


その場合は、Epson Print Plug-inのような大胆な利用制限の緩和は行われないか、あるいは、ずっとゆるやかな形での緩和が行われ、ようやく数年後の完全解放が行われるに留まるかもしれませんね。

とはいえ、管理人としては、せっかく、プロセレクション以外の製品にも利便性を高めるソフトウェアが無償提供されるのであれば、このままエプソンさんが販売するすべての製品に対しても同様の対処を行う方がユーザーは喜ぶのではないかと感じるのも事実です。

管理人注
ただし、Epson Print Plug-in利用条件緩和自体も単に今回対象となった機種のみ どうにかEpson Print Plug-in必要とするカラーマネージメント条件を満たしていたという可能性がないわけでもありません
その場合はさすがにカラーマネージメント条件を満たすことが不可能な安価な機種までの利用条件緩和が望めないという事態十分考えられます


今後、エプソンさんがソフトウェアとハードウェアの両方を組み合わせた総合的なプリンター戦略として、どのような動きを見せるのか、エプソンさんのプリンターを愛用する管理人としても注意深く見ていきたいと思っています。


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