というのも、やはり、電子書籍自炊を行なってきた中で、どうしても裁断が行いにくく、電子書籍化が止まっていた画集や写真集などのデータ化も可能という意味では、貴重な選択肢といっても間違いありません。
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では、一方で、このScanSnap SV600が手元にあれば、管理人が所有しているScanSnap S1500やその後継機にあたるScanSnap iX500などの裁断を必要とするタイプのドキュメントスキャナが不要になるのかというとそうは考えていません。
というのも、スキャン処理の速度が異なっているからです。
具体的には電子書籍自炊でスタンダードといえる解像度のスーパーファイン(カラー/グレー300dpi、白黒600dpi相当)で比較した場合、
ScanSnap SV600:A3サイズ(A4サイズ2枚分) 1枚を最大3秒
ScanSnap iX500:最大両面25枚/分
ScanSnap S1500:最大両面20枚/分
ScanSnap S1300i:最大両面6枚/分
となっていて、A4サイズの原稿を1分間でスキャン可能な枚数で比較すると、
ScanSnap SV600:1分間で最大40ページ
ScanSnap iX500:1分間で最大50ページ
ScanSnap S1500:1分間で最大40ページ
ScanSnap S1300i:1分間で最大12ページ
という結果に。
参考リンク:
ScanSnap SV600製品仕様
ScanSnap iX500製品仕様
ScanSnap S1500 製品情報
ScanSnap S1300i 製品情報
(富士通さんより)
さらに、他の裁断後にスキャンを行う機種とは異なり、ScanSnap SV600では、ページを手でめくる動作も加わるわけですから、実質的なスキャン速度はさらに低下することは間違いありません。
事実、管理人自身、ScanSnap S1500での電子書籍化でも、電子書籍自炊を行いたい書籍数に比べて、処理速度が問題と感じたため、効率化のために、結果的に2台のScanSnap S1500を導入したという経緯がありました。
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そのため、すべての蔵書をこのScanSnap SV600のみで電子書籍化を行うということは現実ではないというのが管理人の正直な感想です。
では、ScanSnap SV600での電子書籍自炊を効率的に行う方法はないのか?
管理人としては、3つの条件をクリアすることで、快適で効率的な電子書籍自炊も不可能ではないと考えています。
その条件とは、
1、2台以上のScanSnap SV600を準備する
2、無反射ガラスを利用したスキャンを行う
3、2冊以上購入可能な書籍は積極的に裁断を行う
の3つ。
1つめの、2台以上のScanSnap SV600を準備することは、純粋に効率を高めるためには必要な条件と言えます。
というのも、スキャナが2台用意出来るのであれば、スキャン時の処理待ちの時間にもう一台のスキャナを操作することで、2倍の高速化は不可能とはいえ、かなりの高速化は可能です。
ただし、安定した高速スキャンを行うためには、ScanSnap SV600それぞれにある程度高性能なCPUを搭載したPCを接続することが必要になりますから、その点は注意が必要ですね。
2つめの、無反射ガラスを利用したスキャンを行うことも、2台以上のScanSnap SV600を利用する上では重要になります。
というのも、2台以上のScanSnap SV600を利用する際には、スキャン動作中に2冊以上書籍を指で押さえておくということが難しくなりますから、本が勝手に閉じないための重しとしての役割も無反射ガラスが担う必要があるからです。
そのため、仮に2台のScanSnap SV600を利用してのスキャンを行う場合、
1、1冊めの書籍のページをめくる
2、1冊めの書籍に無反射ガラスを設置する
3、2冊めの書籍のページをめくる
4、2冊めの書籍に無反射ガラスを設置する
5、1冊めの書籍のページをめくる
6、1冊めの書籍に無反射ガラスを設置する
・
・
・
といった形で、ページめくり作業をそれぞれの書籍に関して交互に繰り返していくことになります。
ちなみに、ScanSnap SV600では、ページめくり動作を感知することでのスキャンも可能ですから、ユーザー側が行うことが必須なのは、ページをめくることだけとなり、ボタン操作等が必要な機種などに比べるとかなり楽になることは間違いありません。
参考リンク:
ScanSnap SV600のページめくり検出機能
(富士通さんより)
3つめの、2冊以上購入可能な書籍は積極的に裁断を行うということは、言い換えると、ScanSnap SV600での電子書籍自炊にこだわらず、2冊以上同じ書籍が入手可能な書籍に関しては、書籍として保管するものと、裁断して積極的に電子書籍にしてしまうものとに分けてしまうということです。
その結果、購入コストは2倍になってしまうものの、ScanSnap SV600でのスキャン時間を考えた時、余程高額な画集や写真集以外は、意外にお得な結果になるというのが管理人個人の印象です。
逆に、すでに入手が困難な書籍やあまりに高価な書籍などについてのみ、ScanSnap SV600を活用するということも、快適で効率的な電子書籍自炊という意味では重要だと管理人は考えています。
以上3つが管理人の考えるScanSnap SV600を快適で効率的な電子書籍自炊に利用するための条件です。
そういった意味では、ScanSnap SV600や書籍の購入コストだけではなく、スキャン自体を行う時間コストも考えた上で、活用することが必要という意味では、これまでに一般的になった裁断を必要とするドキュメントスキャナでのスキャンとそれほど変わらないといえるのかもしれませんね。
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