2012年8月3日金曜日

ライバルなのに意外に仲良し?エプソンさんとキヤノンさんの業務共同化の真意について考える



写真印刷用にエプソンさんのプリンター、ドキュメント印刷用にキヤノンさんのプリンターを日頃から愛用してきた管理人ですが、最近、少しだけ驚くニュースがありました。

それがこれ、エプソンさんとキヤノンさんによる業務共同化の拡大に関するニュースです。

参考リンク:
 環境負荷のさらなる低減を目指して配送センター業務の共同化を拡大
エプソンさんより)

 環境負荷のさらなる低減を目指して配送センター業務の共同化を拡大
キヤノンさんより)


この共同化は日頃から販売店店頭などでも熾烈なまでの価格やスペックによる販売競争を行なっている日本のプリンターメーカー大手同士が手を組み、それを強化していくということに違和感を感じたのも正直な部分です。

特にこの2社の国内におけるシェアはプリンター市場で圧倒的な大多数を占めてしまうこともあり、競争の観点からも、少し敏感になってしまいます。

それをあらかじめ想定してか、同時にそれぞれの会社から発表されたニュースリリースの中でも、「競合として公正な競争を展開する」という一文が盛り込まれているあたりに、エプソンさん、キヤノンさんともに、注意深く発表したニュースだと管理人自身感じています。


ではなぜ、様々な配慮を行いながらも、このような業務共同化の拡大を最大のライバル間で行う必要があったのかということ。 そこが管理人としては気になりました。

見つけた可能性は1つ。

それは、互換インクや詰替えインクなど、純正インク以外の選択肢を提供している会社に対する包囲網形成の一環というもの。

というのも、今現在のプリンター販売のビジネスモデルは、プリンター本体を格安で販売し、その後、高額に設定されたインクカートリッジ代金で利益を確保するという形が定着していることもあり、純正インクは高価な価格設定になっています。

そこで、最近市民権を得るようになってきているのが、純正インク以外の互換インクや詰替えインク。
これらのインクはプリンター本体の開発費や原材料費などを考慮する必要がないため、安価に販売が可能。価格としては純正インクの半額以下のものさえ存在しています。

ちなみに、管理人自身の場合、色や画質が重要となる写真用途で、純正インク以外の利用は考えられませんが、ドキュメント印刷用途では、安価な詰替えインクを7年ほど愛用していました。

管理人作成の関連記事:
7年間愛用したプリンターの故障で行なったことの全て


管理人注
安価な一方で互換インクには利用することでメーカー保証無効なるケースプリンターが故障するリスクさらには印刷結果が十分な品質を満たさなくなる可能性があるなどリスクもそれなりに存在しているため利用の目的や環境しっかり考えた上で活用すべきだと考えています


そういった事情もあり、純正インクの販売を必要とするプリンターメーカーさんと互換販売者さんは訴訟を含めた戦いを日夜繰り広げています。

その延長線上で、純正インクを販売するプリンターメーカー同士、手を組んで、互換インク販売者と戦って行きましょうということなのではないかと考えました。

その証拠の1つとして、「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」など環境やエコのために行なっているとされるプロジェクトでもエプソンさん、キヤノンさん、デルさん、ヒューレット・パッカードさん、ブラザーさん、レックスマークさんの名前は列挙されている一方で、互換インクを販売するメーカーさんの名前は存在していません。

参考リンク:
里帰りプロジェクトとは
インクカートリッジ里帰りプロジェクトさんより)


プラスチックを利用したインクカートリッジを回収して、それをリサイクすることを最大限高めるのであれば、販売店の売り場面積でも純正インクと同等程度になりつつある、互換インクを無視することは現実的ではなく、手を組むべきでしょうが、それは行われていません。

そこはやはり、あくまで、純正インクを扱うプリンターメーカー VS 互換インクメーカーという図式は強固で容易に手を組むことが可能なものではないということの表れだと管理人は考えています。

今現在、インクジェットプリンタが登場して、30年以上の年月が経とうとしています。

参考リンク:
1984年6月 インクジェットプリンタ「IP-130K」
エプソンさんより)


今後、重要なインクジェットプリンターに関する技術特許が期限切れをむかえ、結果的に、プリンター製造が、現在のPCやスマートフォン、タブレットのように、部品さえ調達が可能ならば、どんなメーカーであってもそれなりの品質をもった製品が製造可能になる時代は意外にすぐそこまできているのかもしれません。

そうなった時、エプソンさんやキヤノンさんを含めた既存のプリンターメーカーがスムーズにそれら新興メーカーに対抗していく連携のための基礎としての役割も、今回の業務共同化の拡大に課せられた役割なのかもしれないと管理人自身は感じています。



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