2016年1月10日日曜日

JAL国際線アップグレード特典の改悪では一体何が狙い撃ちされているのか


JALマイルをコツコツと貯めている管理人にとって2015年は国際線特典航空券の上位クラス予約のために必要なマイル数が大幅にアップされる改悪が実際された衝撃的な一年だったのですが、2016年も同様に改悪に悩まされる一年になってしまうかもしれません。

というのも、2016年9月1日からJAL国際線アップグレード特典の改悪実施が発表されてしまったからです。

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ちなみに、2015年の改悪では、国際線特典航空券のファーストクラスやビジネスクラスといった上位クラスを狙い撃ちした改悪ですが、2016年の改悪は、上位クラスにプレミアムエコノミーも含めた全てのアップグレードが対象になってしまっているのは大きなポイントと言えるかもしれません。

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そんな中管理人が最も気になったことの1つが、実際に改悪が実施された時の影響です。

そこで、最も分かりやすい影響の1つと言える、国際線アップグレード特典で利用する目的地とクラスごとの、改悪前と改悪後の必要マイル数を比べてみることにしました。

その結果はというと、
韓国
○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:7,000マイル 
  • 改悪後:9,000マイル(改悪前比 約28.6%増)
 ○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:10,000マイル
  • 改悪後:12,000マイル(改悪前比 20%増)

アジア1
○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:7,000マイル
  • 改悪後:9,000マイル(改悪前比 約28.6%増)
 ○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:10,000マイル
  • 改悪後:12,000マイル(改悪前比 20%増)

グアム
○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:7,000マイル
  • 改悪後:9,000マイル(改悪前比 約28.6%増)
○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:10,000マイル
  • 改悪後:12,000マイル(改悪前比 20%増)

アジア2
○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:10,000マイル
  • 改悪後:15,000マイル(改悪前比 50%増)
 ○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:17,500マイル
  • 改悪後:20,000マイル(改悪前比 約14.2%増)
○ビジネスクラスからファーストクラス(ジャカルタのみ)
  • 改悪前:30,000マイル
  • 改悪後:35,000マイル(改悪前比 約16.7%増)

オセアニア

○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:12,000マイル
  • 改悪後:15,000マイル(改悪前比 25%増)
○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:20,000マイル
  • 改悪後:25,000マイル(改悪前比 25%増)
○ビジネスクラスからファーストクラス
  • 改悪前:32,500マイル
  • 改悪後:38,000マイル(改悪前比 約17%増)

ロシア

○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:12,000マイル
  • 改悪後:15,000マイル(改悪前比 25%増)
○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:20,000マイル
  • 改悪後:25,000マイル(改悪前比 25%増)

ヨーロッパ

○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:15,000マイル
  • 改悪後:20,000マイル(改悪前比 33%増)
○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:27,500マイル
  • 改悪後:33,000マイル(改悪前比 20%増)
○ビジネスクラスからファーストクラス(ロンドン、パリ、フランクフルトのみ)
  • 改悪前:42,500マイル
  • 改悪後:48,000マイル(改悪前比 約29.4%増)

ハワイ
○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:12,000マイル
  • 改悪後:15,000マイル(改悪前比 25%増)
○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:20,000マイル
  • 改悪後:25,000マイル(改悪前比 25%増)

北米

○エコノミークラスからプレミアムエコノミー
  • 改悪前:15,000マイル
  • 改悪後:20,000マイル(改悪前比 33%増)
○エコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
  • 改悪前:25,000マイル
  • 改悪後:30,000マイル(改悪前比 20%増)
○ビジネスクラスからファーストクラス(ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコのみ)
  • 改悪前:40,000マイル
  • 改悪後:45,000マイル(改悪前比 12.5%増)
という形になりました。

参考リンク:
JAL国際線アップグレード特典のお知らせ
JAL国際線アップグレード特典 マイル早見表
JALさんより)


管理人がこの結果の中で特に興味深いと感じるのは、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードに厳しい改悪になっていることです。

というのも、この中から増加率が多いトップ5を順番に並べてみると、
1位
アジア2のエコノミークラスからプレミアムエコノミー
50%増

2位&3位
ヨーロッパと北米のエコノミークラスからプレミアムエコノミー
33%増

4位
ヨーロッパのビジネスクラスからファーストクラス
約29.4%増

5位
韓国とアジア1とグアムのエコノミークラスからプレミアムエコノミー
約28.6%増
という結果になり、4位以外はすべてエコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードが大きな影響を受けていることがわかります。

ちなみに、増加率の少ないトップ5はというと、
1位
北米のビジネスクラスからファーストクラス
12.5%

2位
アジア2のエコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
約14.2%

3位
アジア2のビジネスクラスからファーストクラス
約16.7% 

4位
オセアニアのビジネスクラスからファーストクラス
17%

5位
韓国とアジア1とグアムのエコノミークラスとプレミアムエコノミーからビジネスクラス
20%
という結果からも分かるように、プレミアムエコノミーへのアップグレードは1つの含まれず、上位クラスへのアップグレードは改悪によるお得度の低下が抑えられています。


つまり、上位クラスに比べてプレミアムエコノミーへのアップグレードが狙い打ちされた形になりますが、エコノミークラスからプレミアムエコノミーへのアップグレードが可能な予約クラスは、運賃自体が高額な
  • エコノミーセイバー
  • ダイナミックセイバー タイプA
  • ダイナミックセイバー タイプB
の3種類のみで、この3つの運賃はプレミアムエコノミーの割引運賃と大きく差があるわけではありません。

参考リンク:
ヨーロッパ行きダイナミックセイバー運賃一覧
JALエコノミーセイバープレミアム運賃一覧
JAL国際線アップグレード特典対象航空券 
JALさんより)


とは言え、これら3種類の運賃は、ビジネスクラスへのアップグレード対象にもなっていますから、ビジネスクラスへのアップグレードに期待してキャンセル待ち(空席待ち)状態で高額な運賃を購入したもののアップグレードを果たせなかった方が、せめてプレミアムエコノミーへのアップグレードを希望した時のマイル回収率を高くするための戦略なのかもしれないとも管理人自身は考えたのですが、はっきりとは意図が理解できていないのも正直な部分です。

ただ、必要マイル数の方面からファーストクラスやビジネスクラスのハードルを高いものに変更しなかった理由は、提供できる座席数自体が十分に少ないことと、それらの提供数をJALさん側で適度に出し入れすることで、それら上位クラスを適度に魅力的なものとして十分にコントロールできると判断しているからかもしれません。

そう考えると、特典航空券とアップグレード特典の追加提供数は、有償の航空券の残数に基づいたJALさん側の収益などに大きく影響を受けることになり、その結果、マイルを使った特典を容易に確保できる時とそうでない時の落差がこれまで以上に広がるのではないかと、2016年に少しだけ危機感を感じはじめています。

また、実際、出発当日の空港のチェックインカウンターでは、
  • JAL国際線特典航空券 上位クラスへの変更 空港当日申し込みサービス
  • JAL国際線アップグレード特典 空港当日申し込みサービス
などによって、出来る限り対価を支払ってもらった上でアップグレードを行い、積極的に上位クラスの空席を減らす取り組みを行っているのは間違いありません。


そのような取り組みが順調に効果を発揮し始めると、インボランタリーアップグレードなどの無償アップグレードのように、マイルを活用したお得な特典航空券やアップグレード特典も、長期的には次第に失われていく懐かしい過去になっていくのかもしれませんね。




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