2016年8月27日土曜日

ANA運航ボーイング787のロールスロイス製エンジントラブル対応運休の大きな大きな残念ポイント


管理人が好んで利用しているお気に入りの飛行機といえば、ボーイング787です。

このボーイング787は 2011年にようやく運行が開始された最新の飛行機だけあって、気圧や湿度などの快適性が高く、気圧の変化による耳の痛みや、湿度の低下による肌や喉などの影響が大きく軽減された状態で利用できることが気に入っている理由です。

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そのボーイング787で気になる出来事がありました。

それがANAさんが運航するボーイング787を対象にしたエンジン交換による運休です。

このエンジン交換による運休はANAさんの運航するロールスロイス製のエンジンを搭載したボーイング787で重要部品の1つ、タービンブレードが破損し、唯一残った片方のエンジンのみで着陸するというトラブルが半年間の短期間に3件以上発生したことが原因です。

具体的には、
2016年2月22日:ANA816
  • クアラルンプール → 東京(成田)
  • 出発空港への引き返し

2016年3月3日:ANA858
  • ハノイ → 東京(羽田)
  • 出発空港への引き返し 

2016年8月20日:ANA609
  • 羽田 → 宮崎
  • 出発空港への引き返し 
の3件で、その3件とも航空管制上の優先権を要請するほど緊急性があるトラブルになりました。

参考リンク:
イレギュラー運航の発生状況(平成28年2月)
イレギュラー運航の発生状況(平成28年3月) 
国土交通省さんのイレギュラー運航の発生状況より)

【ご報告】 ボーイング787型機のエンジン不具合への対応について(PDF注意)
【お詫び】2016年8月20日のANA609便の運航について
【お詫び】ボーイング787型機の整備に伴う国内線ダイヤへの影響について(PDF注意)
ANAさんのグループ企業サイトのお知らせより)


もちろん、ANAさんでも2月22日と3月3日の短期間に同様の重大トラブルが発生したことを受けて、エンジンを製造したロールスロイスさんとの協議や調査を行っています。

その結果、「大気中の化学成分に起因する硫化腐食がタービンブレードの表面に発生し、それが起点に疲労亀裂が生じ、飛行サイクルとともに亀裂が進行することが原因」と突き止めたものの、様々な理由でタービンブレードへの負荷が大きく亀裂が発生しやすい国際線のエンジンの交換は実施した一方で、国際線に比べて負荷が小さいとされる国内線については亀裂が発生しにくいと判断し、計画的なエンジン交換の対象にはしませんでした。

そうした国内線に対する予想が外れた結果、2016年8月20日の国内線で初のトラブルが発生し、今回の国内線も対象にしたエンジン交換による大規模な運休へとつながることに。


今回のトラブルで管理人が残念と感じるのは、
1、トラブルの発生とその原因を発表していなかったこと
2、未然に防げるトラブルを実際に起こしてしまったこと
の2点です。

まず、1つめの、トラブルの発生とその原因を発表していなかったことは、トラブル発生後の対応としてはあまり誠実ではないと感じてしまうからです。

なぜなら、そうした状態でロールスロイス製のエンジンを搭載したボーイング787が運航されていることが事前に発表されていたのであれば、他の飛行機で運航されている便を選ぶなど、利用者側でもトラブルを避けるための対策を選択することができるわけですから。

実際、いずれのトラブルでも幸い人的な被害は発生していないものの、トラブルが発生した便に搭乗していた利用者は、出発した空港へ引き返す間に万が一のことを考えて怖いを思いをしたり、時間的な遅れによる影響を受けるなどの負担は、あらかじめ他の選択肢を選べていたのなら避けられていた種類のものです。

さらに、いずれのトラブルも発生時には航空管制上の優先権が要請されていますから、他の便の正常な運航へ大小様々な影響や迷惑を与えてしまった可能性は高いと管理人は考えています。


また、2つめの、未然に防げるトラブルを実際に起こしてしまったことは、管理人が特に残念に感じる部分です。

というのも、国内線も国際線同様にあらかじめタービンブレード交換を行っていたのなら、2016年8月20日のトラブルは未然に防がれていた可能性が高いだけではなく、万が一、タービンブレード以外の原因でもう一方のエンジンにも同じタイミングで別のトラブルが発生していたのなら、考えたくもないとんでもない事態になっていたと考えているからです。

もちろん、ANAさんも利益を重視しなくてはいけない企業ですから、リスクが高いとされた国際線ならまだしも、国内線では発生するかどうかも分からないリスクを発表したり、そのリスクのためにコスト負担の必要なタービン交換を行いたくはないという心理も理解できます。

しかし、結果的にはANAさんとしての予想は外れ、トラブルの発生する可能性がより高い状態のボーイング787を運航し、知らず知らずのうちに利用者に様々なリスクを取らせてしまった以上、管理人自身、今回の経緯からはあまり良い印象をANAさんに感じることはできません。

しかも、2016年8月20日のトラブルから5日後の8月25日にも、現時点で原因は不明とされているものの、ボーイング787を利用した東京羽田発福岡行きのANA241便でもエンジンが理由の出発空港へ引き返すトラブルが発生しているような状況です。

参考リンク:
【お詫び】2016年8月25日のANA241便の運航について
ANAさんより)


今後、ANAさんは大規模な運休と引き換えにエンジンのタービンブレード交換実施することを決定したわけですが、その後の硫化腐食に強い改修型タービンブレードが装着されたエンジンが利用できるまでの期間も、これまでよりも安全側に余裕を残したスタンスでボーイング787の整備と運航を行って欲しいと、1人のボーイング787好きとして管理人は考えています。




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