2015年10月22日木曜日

2015年12月1日からのJAL国際線燃油サーチャージ値下げでの払い戻し金額を発券時期ごとに比べてみた


コツコツと貯めたJALマイルを利用して、繁忙期の時期の国際線特典航空券予約に活用している管理人にとって気になるニュースがJALさんから発表されました。

それが、2015年12月1日から2016年1月31日までの特典航空券も含めた国際線航空券発券で適応される燃油サーチャージ金額の値下げです。

この燃油サーチャージは原油価格変動の一部を国際線利用者が負担する目的で、運賃に追加されることになっている追加料金という位置づけなのですが、ジェット燃料の取引価格と為替レートという2つの数値を元に2ヶ月単位で値上げと値下げといった変動が繰り返されてきました。

それが今回、2015年12月1日発券分から値下げが行われることになったため、それ以降の時期に発券を行った方がコスト的にお得になるということです。

ちなみに、この値下げは、これから新規に国際線航空券を発券する方だけがメリットを受けられるわけではなく、2015年11月30日までの時期に国際線航空券を発券済みというケースでも、航空券の第一国際線区間に日にちや時間帯、便名などを含めた予約変更が生じた場合、値下げされた燃油サーチャージ分は差額調整として返金対応されます。

管理人作成の関連記事:
JAL国際線特典航空券で燃油サーチャージ金額の値下げが予想される時にそのメリットをしっかり受けるための2つの方法

燃油サーチャージの値下げ後の特典航空券の予約変更では差額の返金や払い戻しは行われるのか

燃油サーチャージの変更月に特典航空券を変更した時、どのように差額は返金されるのか


そのため、予約変更の自由度が高い国際線特典航空券利用者を中心に意外に多くの方が良い影響を受けるニュースと言っても言い過ぎではないはずです。

参考リンク:
国際線「燃油特別付加運賃」「航空保険特別料金」のご案内
JALさんより)
 

では、どの程度の値下げの影響を受けることになるのかということですが、すでに支払った燃油サーチャージは金額は実際に発券した時期によって異なるため、今回はJAL国際線特典航空券の持つ1年の有効期限から考えて最長の2014年12月1日以降に発券された国際線航空券について考えてみたいと思います。

ちなみに、燃油サーチャージの金額は2ヶ月毎に変動するとは言え、ジェット燃料の取引価格と為替レートに大きな変化が発生しなかった時には据え置きとなりますから、2014年12月1日以降の燃油サーチャージとしては、
・2014年12月1日から2015年1月31日
・2015年2月1日から3月31日
・2015年4月1日から11月30日
の3つの時期と、今回の値下げ分となる
・2015年12月1日から2016年1月31日
という合計4つの時期を比較する必要があります。

それでは、実際にそれぞれ2つの期間に発券した時の各エリアごとの往復分燃油サーチャージ金額とその差額、そして割引率を比べてみることにしましょう。

○2014年12月1日から2015年1月31日まで発券分
韓国、極東ロシア:
 4,000円 → 600円 差額3,400円 (85%引き)     
中国、台湾、香港    
 11,000円 → 3,000円 差額8,000円 (約73%引き)
グアム、フィリピン、パラオ、ベトナム    
 13,000円 → 4,000円 差額9,000円 (約69%引き)
タイ、シンガポール、マレーシア    
 21,000円 → 6,000円 差額15,000円 (約71%引き)
インドネシア、インド、ハワイ    
 27,000円 → 8,000円 差額19,000円 (約70%引き)
北米、欧州、中東、オセアニア
 42,000円 → 14,000円 差額28,000円 (約67%引き)

○2015年2月1日から3月31日まで発券分
韓国、極東ロシア:
 2,000円 → 600円 差額1,400円 (70%引き)     
中国、台湾、香港    
 7,000円 → 3,000円 差額4,000円 (約57%引き)
グアム、フィリピン、パラオ、ベトナム    
 8,000円 → 4,000円 差額4,000円 (50%引き)
タイ、シンガポール、マレーシア    
 13,000円 → 6,000円 差額7,000円 (約54%引き)
インドネシア、インド、ハワイ    
 17,000円 → 8,000円 差額9,000円 (約53%引き)
北米、欧州、中東、オセアニア
 28,000円 → 14,000円 差額14,000円 (50%引き)

○2015年4月1日から11月30日まで発券分
韓国、極東ロシア:
 1,000円 → 600円 差額400円 (40%引き)     
中国、台湾、香港    
 5,000円 → 3,000円 差額2,000円 (40%引き)
グアム、フィリピン、パラオ、ベトナム    
 6,000円 → 4,000円 差額2,000円 (約33%引き)
タイ、シンガポール、マレーシア    
 9,000円 → 6,000円 差額3,000円 (約33%引き)
インドネシア、インド、ハワイ    
 12,000円 → 8,000円 差額4,000円 (約33%引き)
北米、欧州、中東、オセアニア
 21,000円 → 14,000円 差額7,000円 (約33%引き)

参考リンク:
2014年12月1日から2015年1月31日発券分までの燃油サーチャージ金額
2015年2月1日から3月31日発券分までの燃油サーチャージ金額
2015年4月1日から11月30日発券分までの燃油サーチャージ金額
2015年12月1日から2016年1月31日発券分までの燃油サーチャージ金額
米ドル換算額利用から円貨換算額利用への2015年度適用条件変更 
JALさんより)


こうして2014年12月発券分から約1年間の燃油サーチャージの推移を見てみると、継続して値下げが行われてきたことが分かります。

そのため、仮に、最も高い時期だった2014年12月1日から2015年1月31日までに発券したJAL国際線特典航空券を有効期間内で最も安い時期になる2015年12月から2016年1月31日に第一国際線区間の予約変更を行った場合、それぞれの目的地毎に金額にして3,400円から28,000円もの値下げ分の燃油サーチャージが返金されるということになりますね。


特に、予約変更の自由度が高い国際線特典航空券では、第一国際線区間を予約変更するだけでこれらの値下げ分の金額は返金され、これから2015年12月1日以降に新規で国際線航空券を発券する方と同じ条件で予約できるメリットを得られるのですが、忘れてはいけない注意点があるのも事実です。

それは、せっかく特典航空券として予約していた旅程を失うリスクがあるということです。

というのも、第一国際線区間の変更にともなって、燃油サーチャージの値下げ分の払い戻しなどの差額調整が行われる場合、eチケットの航空券情報の更新が必要になるため、オンラインの予約表示では、
「特典予約です。
航空券情報が確認できません*ので、予約変更をご希望の場合はお電話で承ります。
*予約変更してすぐであれば、eチケットの航空券情報が更新中であることを意味します。その場合は数日後にはこのメッセージは消え、「eチケットお客様控を表示・印刷」ボタンが表示され、操作できるようになります。
JALホームページではこの予約は変更できません。変更をご希望の場合はお電話で承ります。」

 というエラーメッセージが表示され、すぐにもう一度予約変更が行えるわけではないからです。

つまり、このエラー表示が解消されるまでの間に、予約変更前にせっかく確保していた旅程を他の方の予約と発券によって、確保されてしまうのリスクはゼロにはできません。

ちなみに、エラー表示が消える前に電話での予約変更手続きを行う方法もありますが、その場合、2,160円の電話発券手数料が必要になるだけではなく、変更後も電話での発券が行われた特典航空券として扱われてしまうため、日にちや時間帯を含めた予約変更の度に電話発券手数料が必要になるのは避けられず、予約変更の自由度という国際線特典航空券最大のメリットは失われます。

参考リンク:
国際線特典航空券発券手数料の導入について
JALさんより)


また、ファーストクラスやビジネスクラスのように、特典航空券として提供されている座席数自体が少ない上位クラスでは、変更先としての十分な空席がないだけではなく、今確保している座席に対してもキャンセル待ちが行われていることが十分考えられますから、燃油サーチャージの払い戻し目的での予約変更はあまり現実的ではないというのが管理人の正直な感想です。

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とは言え、提供されている座席数が豊富で、比較的空席に余裕のあるエコノミークラスやプレミアムエコノミーの場合は、それほど無理なく第一国際線区間の変更が可能なケースもあります。

そのため、値下げ分の燃油サーチャージとして払い戻し返金される金額が大きい場合は、メリットとデメリット、そしてそれらのリスクを十分に確認した上で、選択肢の一つとして第一国際線区間の予約変更を検討してみる価値はあるかもしれませんね。




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