2011年10月30日日曜日

これから顔料インクプリンターを購入する方のための「顔料プリンターQ&A」

自宅に写真用のプリンターがあるというのはやはり便利なことで、管理人自身、便利に活用しています。
そんな管理人が愛用しているのは顔料タイプのインクを採用しているプリンターです。

顔料インク自体、画質や耐久性の高さなど、写真用プリンターとして利用する上で、重視される特長を持っているため、管理人も継続して顔料プリンターを選択する理由となってきました。

そうはいっても、顔料プリンターの本体価格が、染料インクを中心とする写真用エントリー機種などに比べて高価なこと。さらには、本体価格が高価なことからランニングコストが高いのではないかと考えてしまう誤解によっても、顔料プリンターの敷居が高くなっているのではないかと管理人自身感じています。

そこで今回は、写真画質を重視して顔料プリンターを検討しながらも、実際の購入では迷っている方向けに、管理人が考える顔料プリンターQ&Aを記事にしてみたいと思います。

では早速見ていきましょう。


Q1、顔料プリンターの印刷コストは染料プリンターに比べて高い?
A1、コスト的にも同等または安い場合が大半。数倍もの差はない。

長く使っていく上で一番気になるのはランニングコストの問題でしょう。
顔料プリンターはその多くが上級機種やプロフェッショナル向けの機種だということもあり、プリンターの本体価格が一般的な染料インクを採用する機種より高い傾向にあります。

しかし、写真の印刷コストを比べたとき、本体価格のように、数倍の差が生まれるということはありません。実際は、ほぼ同等か安いという場合が多くなります。

実際に、染料インク搭載の写真用途向け多機能モデルでのL判写真1枚の印刷コストを見てみると
EP-904F、EP-904A、EP-804A/AW/AR、EP-774A
標準インク 約20.8円
小容量インク 約26.7円

EP-704A
標準インク 約19.6円
小容量インク 約29.9円

一方の顔料インク搭載の写真用途向けの単機能モデルでのL判写真1枚の印刷コストを見てみると
PX-5V   
約19.2円

PX-7V   
約22.1円

PX-5002  
約20.4円

PX-G930  
約22.7円
となっています。

参考リンク:
多機能モデル製品ページ
高品位モデル製品ページ
 (エプソンさんより)

意外に、印刷コストに差がないことがわかると思います。
さらに、顔料インク採用プリンターでは、染料インク採用のプリンターで問題となりがちな色褪せなどの退色問題で再プリントが必要になるということがないことも忘れがちな利点の一つです。

染料インクプリンターで再プリントを行なった場合、印刷コストは純粋に2倍に跳ね上がるわけで、全てのプリントを行なった写真が再プリントの対象にならないとしても 、印刷コストを押し上げる原因となるのは確かです。

そういったことから、写真プリント用途には顔料インクプリンターがコスト的にも悪いものではないということが見えてきます。



Q2、インクのつまりが起こりやすいと聞くけど問題はないもの?
A2、それほど神経質に管理する必要はないと考える。

管理人の使い方では夏の暑い時期に1ヶ月ほどまったくプリンターを使わなかったということがありますが、それで、インクヘッドがつまってしまったということはありませんでした。

とはいえ、ボールペンや万年筆と同様、インクを実際に使用することが、プリント機能を維持する上では大切なことでしょうから、できることなら2週間に1回程度、間隔あける場合でも、1ヶ月に一度は写真を印刷することを心がけることで、安心してプリンターを愛用できると考えます。



Q3、それでもインクがつまってしまって色がおかしいと感じた場合は?
A3、2~3度クリーニングを実行しても改善しない場合はすぐ修理に出すべき。

プリンターヘッドが詰まるなどした場合、色のバランスが崩れるため、写真の色がおかしなものになります。

そういった場合は、プリンターヘッドのクリーニングをプリンターユーティリティから行うべきなのですが、これには多くのインクを消費してしまいます。
 簡単に言い換えると、プリンターヘッドのインク詰まりを直すために、大量のインクを捨てるということに繋がります。

2~3度、クリーニングを実行しても改善が見られない場合は、素直に修理に依頼することが、インクコスト的にも良い選択と言えるでしょう。

特に購入後1年をむかえるあたりの時期には、実際にプリントを行い、プリンターヘッドに詰まりが生じていないかチェックべきです。

修理が必要な場合でも、購入後一年のメーカー無償保証を活用できることは、修理代負担を減らす意味でもかなり効果がありますから。



Q4、修理となると、プリンターのような精密機器は高額になるのでは?
A4、定額修理料金を採用しているため、それほど高額ということにはならない。

修理となると、商品自体を買い換えたほうが安くなるような場合も多く見られるのですが、プリンター製品については、比較的リーズナブルな定額料金で修理サービスが提供されています。

金額も7,350~15,750円程度。とはいえ、15,750円というのも、プロ用も含めた上位機種も含めた上での最高修理金額ですから、多くの場合、それよりも安価な価格での修理サービス提供を受けられるはずです。


参考リンク:
インクジェット複合機修理対象機種・料金一覧
インクジェットプリンター修理対象機種・料金一覧
エプソンさん修理対象機種・料金一覧より)

これは、プリンターという製品自体が、インクカートリッジの販売で、利益を得る商品である関係上、修理価格を安くしたとしても、自社のプリンター製品を長く使って、インクカートリッジ売上に貢献して欲しいということも要因だと考えます。


とはいえ、修理終了時には、インクカートリッジが新品やあまり減っていないものに交換されるなどのおまけサービスが行われることが多いため、修理代の支払いを差し引いても実質的お得ということも起こりがち。

管理人作成の参考記事:
おまけつきだから意外にリーズナブル?エプソンさんのプリンターを修理に出してみた


そういったこともあって、管理人自身も気に入っているプリンターについては、故障したとしても修理を依頼して長期に使うようにしています。



Q5、同じ画像をプリントするのに色が違う場合は?
A5、気温や湿度の変化が少ない場所にプリンターを設置する。

最新機種ではそれほど見られないとは思いますが、設計の古い顔料プリンターでは、夏と冬で同じ条件で写真を印刷しても色が違うということが起こったりしました。

そういった場合、気温や湿度の変化に気をつけてプリンターを設置することで解決できるケースも多いです。

例えば、冬場は窓の近くなど、外気と近い温度/湿度になりがちな場所には置かない、あるいは、温度変化が激しくなりがちなエアコンの冷風や温風が直撃する場所には置かないなども対策になります。

さらには、温度変化だけではなく、精密機器へのダメージを防ぐという意味では直射日光が当たる場所も好ましくない設置場所と言えるはずですね。

こういったことに気をつけることで、色の変化はもちろん、プリンターヘッドのインク詰まりも軽減できるのではないかと、管理人の経験上考えています。



Q6、純正インクは高いので、他社の互換インク購入はおすすめできる?
A6、色の調整などの様々な問題から写真用途ではおすすめしない。

プリンターメーカーさんが販売する純正インクは、プリンター本体の製品開発費なども含まれているためなのか、高額になりがちです。

その一方で、他社が販売する互換インクは、そういったプリンター関連のコスト回収を必要としないこともあってか、かなり安価に販売されているのが、現状となっています。

では、この他社製互換インクを写真用途のプリンターに使ってもよいのかというと、管理人としてはおすすめしません。

というのも、完全にメーカー純正インクと同じ他社製互換インクが存在しない以上、色のバランスが崩れたりするなどの新たな試行錯誤すべき課題が生じます。

こういった苦労を楽しめる場合は問題ないのですが、そうではない場合、写真用途のプリンターには素直に純正インクを購入することをおすすめしますし、管理人自身、これまでもそうしてきています。

ただ、これが、ドキュメント専用の黒インクをメインとしたプリンターの場合、色のバランスは問題になることはそれほどありません。管理人もドキュメント専用のプリンターには他社製互換インクを詰め替えて使ってきました。

また、顔料インクプリンターの場合、染料インクプリンターに比べ、一般的ではない関係なのか、互換インク自体がそれほど割安ではなかったり、染料インクよりもインクの詰まりが発生しやすいなどのトラブル原因となり得るため、そういったトラブルを未然に防ぐという意味でも、他社製互換インク使用前によく検討することが必要だと考えます。



Q7、プリンター本体に付属してきたインクは早く無くなってしまったけど故障?
A7、初期セットアップ時にプリント可能状態にするためのインク消費が起こるため。

プリンターを使ってみて、いきなり驚くことは、インクカートリッジの消耗の早さでしょう。
管理人自身、数枚プリントを行なっただけで、これほどインクが消費されるのなら、使い続けていくことはコスト的に難しいと感じたプリンターは1台や2台ではありませんでした。

しかし、必要以上に心配することはありません。というのも、最初に装着するインクカートリッジは、プリンターを印刷可能な状態にするためにもインク消費が生じるため、どうしても印刷可能枚数が大きく減少してしまうからです。

一度インクカートリッジを使いきり、次のインクに交換すると本来のインク使用状況となるため、インクコストに驚くということは生じないはずです。

ちなみに、このことは、顔料・染料に関わらずインクジェットプリンターでは必ず生じてしまうことになります。

参考リンク:
印刷速度およびコスト測定データ
 (エプソンさんより)


以上が、顔料プリンターを愛用してきた管理人が考える、これから顔料インクプリンターを購入する方のためのQ&Aになります。

こうして見てみると、 顔料プリンターと染料プリンターという垣根こそあるように感じるものの、実際の使用していく上では、それほど決定的な問題となる事柄はないように感じるのが管理人の素直な実感です。

写真を思いっきり楽しむという目的のためには、顔料プリンターデビューもなかなか良いと思いますよ。

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